
あなたは転職の経験があるでしょうか?
経験があるなら、その転職を成功だと言えるでしょうか?
今の時代、ひとつの会社に勤務し続ける人は多くはありません。2017年1~6月までに新規登録したリクナビNEXTの集計データでは、50代になると約6割が転職の経験者です。一方で、20代での転職者は約24%となっています。
30代になると約半数が転職経験者で、回数も1回、2回、3回とばらつきがあります。
同調査では、企業の採用担当が転職回数を気にするのが3回目からという答えが約40%となっています。
つまり、転職は1回目か2回目で成功させないと、採用側の企業に影響を与える可能性が高いということです。
データ上では、転職は3回目までに勝負を付けたいですね。
この記事では転職に失敗する理由について考えます。
転職をするべきか、しないべきか
あなたが転職をすることを決断しているなら、転職活動を行い、満足できる転職先に入社するために最大限の努力をするべきでしょう。
しかし、転職を考えているけれど迷っている場合は、自分が転職するべきかどうかをきちんと考える方がいいでしょう。
しかし、きちんと考えると言っても、「何を?」という話になりがちなので、何を考えればいいのかをお話しします。
考えること1:なぜ転職をしたいのか?
まず、冷静に考えたいのは、なぜ自分が転職をしたいと考えているのか?ということです。
職場に嫌な上司がいる
仕事が短調でつまらない
給料が安いし、上がらない
会社の将来に不安がある
など。
複数でも構わないので、まずは自分が転職したい気持ちを紙に書き出してみてください。
考えること2:希望は叶えられないかもしれない
次に考えるべきは、転職をしても、
嫌な上司がいるかもしれないし、
短調な仕事を割り振られるかもしれないし、
給料が上がるような成果を出せないかもしれないし、
転職先が倒産するかもしれません。
要は転職することで環境は変わりますが、希望通りの環境を手に入れるかどうかはわからないということです。その場合、あなたはどうするでしょうか?
また転職をすると思うなら、今転職をするべきかどうかをもう一度考えるといいでしょう。
考えること3:新しい環境で成果を出せるのか?
専門職、マネジメント、国際キャリアなどのエグゼクティブと呼ばれる人は求人数は多いものの、求められる仕事のレベルも高いので、期待通りの成果を出すのは簡単ではありません。
一方で、特別なキャリアがない転職の場合は、既存社員との競争になります。当然ながら、よい仕事は既存社員が手放さないので、有利とは言えない状態からスタートすることになります。その中で成果を出す自信があるでしょうか?
同業に転職するべきか、異業種に転職をするべきか
転職を決断したとして、どんな会社に転職をすればいいのでしょうか?
大きな区分けとしては、同業種に行くか、異業種に行くかということです。
同業種に転職するメリット
・知識と経験がそのまま活かせる
・人脈を使うことができる
同業種に転職するデメリット
・仕事の内容が変わらない
・その仕事で成果を出せない場合、また同じ結果になるかもしれない
異業種に転職をするメリット
・新しい取組ができる
・業界の常識に囚われない発想ができる(かもしれない)
異業種に転職するデメリット
・仕事を覚える必要がある
・どの程度の戦力になるのか想像が難しい
未経験者歓迎というキャッチフレーズの広告があります。一方で、○○業種のグローバルマネジメントの経験5年以上という条件を示されることもあります。
いずれにしても転職には、これまでどんな仕事をしてきたのかというキャリアが評価されることは間違いありません。希少性の高いスキルがある場合は市場価値が上がります。逆は市場価値が低いので、希望通りの転職が容易でなくなる可能性があります。
転職の失敗とは何か?
ここからは転職の失敗について考えてみます。
転職の失敗1:仕事内容が違う
聞いていた仕事と実際にやる仕事が違う場合は失敗を言えるでしょう。ルート営業のみだと聞いていたのに飛び込み訪問で新規開拓をやれと言われたら、話が違うと思うでしょう。しかし、入ってしまえば後の祭りです。
転職の失敗2:環境が違う
システムが整っていないとか、パソコンや携帯電話を支給されないなど、前の会社よりも職場の環境が整っておらず、パフォーマンスが上げにくい転職が失敗と言えそうです。
転職の失敗3:社風が違う
朝礼では、大声で社訓を唱和するとか、始業の30分前に出社することが義務付けられているなど、馴染めそうにない職場に転職してしまったら失敗だと言えます。
転職の失敗4:給与体系が違う
給与の総額が手当てを含んでいる場合、会社側の都合でカットされることがあります。景気が低迷すれば、合法的に給料を下げる仕組みがある会社もあります。給料は毎年上がるものと考えている人にとっては転職の失敗になるでしょう。
転職の失敗5:違ったと思って後悔する
事前の話を違っても、その会社に入社してしまったのですから、話が違うというのは通用しません。やめてしまっても、履歴書には短期間で退職をしたというマイナス要素しか残りません。転職を後悔すること自体が失敗です。後悔するなら、その会社で成果を上げて次を目指す方はいいでしょう。
転職の失敗6:次の転職を考える
成果を出す前に次の転職を考えることも失敗の転職と言えるでしょう。こうした考えは仕事の態度にも現れがちです。結果、同じ失敗を繰り返すことになります。
転職に失敗しない方法は?
では、転職に失敗しない方法について考えてみます。
転職に失敗しないポイント1:会社に理想を求めない
あなたに都合よくできている会社はありません。しかし、ホワイト企業と呼ばれる会社を外から見ると、天国のように思えます。実際のところは入ってみなければわからないですが、天国のような会社があるなら、その会社に入社するべきでしょう。
会社というのは成果を出す人にやさしく、成果を出さない人には冷たいものです。どんな会社でも成果が出せる自分であることこそが、あなたの市場価値を上げて、優良企業からお声がかかるポイントです。
転職に失敗しないポイント2:転職先の会社を見極める
中途採用者がどのように活躍しているのかを見極めることが大切です。管理職がプロパー社員で構成されている場合は、同じ成績では勝てません。逆に中途採用者が多い会社の場合は、制度が整っていない可能性がありますが、抜擢されるチャンスもあります。
挑戦的に仕事をするのか、安定的に仕事をするのかなど、自分に合った会社を見極めてください。
転職に失敗しないポイント3:面接官を面接する
何より面接に出てきた人がやりがいを持って仕事をしているかどうかが大切です。転職を考えている人が面接をしている会社も珍しくはありません。
「どんな時が楽しいですか?」「目標はなんですか?」など、逆面接をしてもよいと思います。
転職は、あなたの市場価値を明確にする
転職をするかしないかにかかわらず、自分の市場価値を知っておくといいでしょう。そのためには転職サイトに登録をしてスカウトを待ったり、エージェントと面談をすることをおすすめします。自分の市場価値がはっきりとわかります。
市場価値が低い場合は、どんなスキルを身につければいいのかもわかります。
転職に失敗する最大の理由は、価値の認識が違うからだと思います。転職者がアピールをするのが過去と現在の価値であり、企業が求めるのが将来の価値です。つまり、「これまで何をしてきたから価値がある」のではなく、「これまでやってきたことで、この会社でこのような仕事ができるというのが価値」なのです。
会社を成長させてくれる人材に高い報酬を支払う。これは企業にとって当然のことです。この当然のことを理解している人は転職でも失敗しにくいし、今の会社でも十分に成果を出すことができるでしょう。
まとめ
この記事では転職で失敗しやすいポイントと転職に失敗しないポイントを整理しました。転職に失敗する人は何度も失敗します。それは企業の選び方に問題があるだけでなく、仕事をする上での意識の問題があることも少なくありません。
転職を繰り返すほど、人事の評価は低くなります。1社しか経験がないと自分の市場価値がわからないので、転職することは必要ではあると思います。しかし、回数が少なく、やりがいのある会社で仕事ができるように、この記事のポイントを参考にしてください。